精神科漢方外来
漢方医学は、「心身一如」の考え方を基本としています。「心身一如」とは、こころとからだは一体である、つまり、お互いを切り離して考えることはできないということです。そして、「バランス」という考え方を重視します。
心療内科・精神科は、こころの症状を治療する科ですが、「からだの症状」に困っていらっしゃる方も多く受診されます。その多くは、「検査を受けたが異常がなく、ストレス性ではないかと言われた」「はっきりしない不調が続いていて、精神科を受診するよう勧められた」というものです。こういった症状は、もちろん、精神科の薬物治療やカウンセリングで改善する可能性がありますが、心身両面から診て治療を行う「漢方医学的治療」は、相性が良いことが多くあります。
逆に、精神面で困っていらっしゃる方の中にも、漢方医学に基づいて、体調や体質を改善することで、症状が緩和される方が少なからずいらっしゃいます。
当外来では、はじめに症状やご自身のご希望をお聞きし、ご相談しながら治療方針を一緒に決めていきます。
漢方医学では、漢方薬を内服するだけでなく、生活習慣や食習慣の改善が大切です。ですので、そのことについてもアドバイスいたします。健康的な生活を保つことが、心身のの安定につながり、漢方薬の効果をきちんと出すための土台ともなります。
担当医は精神科専門医でもありますので、西洋医学的治療(一般的な精神科の薬による治療や、その他の科での治療)が必要と思われる場合には、判断の根拠とともにお伝えします。
西洋医学的治療との併用も、多くの場合は可能です。いま、精神科のお薬を飲んでいる方でも、漢方を併用して症状をより改善させたり、副作用を軽減させたり、場合によってお薬の量を減らせる場合があります。ご相談ください。
以下のような方は漢方外来で一度ご相談ください
- 自覚症状を漢方で治療したいと考えている方
- 検査で異常がないのに自覚症状が続く方
- 月経に伴う不調をお持ちの方(月経困難症、PMS、更年期障害など)
- 天気の変化で不調を生じる方
- 胃腸が弱く困っている方(過敏性腸症候群など)
- 不眠はあるが睡眠薬には抵抗のある方 など
漢方専門医 副院長 辰巳 礼奈
学歴・研究歴
- 京都府立医科大学医学部医学科卒業
- 慶應義塾大学病院 初期臨床研修医
- 慶應義塾大学医学部 精神・神経科学教室 専修医
- 医療法人厚生財団 大泉病院 精神科
- 東京歯科大学 市川総合病院 精神科
所属学会・資格
- 慶應義塾大学医学部 漢方医学センター 非常勤講師
- 大阪大学大学院 医学研究科 先進融合医学共同研究講座 招聘教員
- 精神保健指定医
- 日本精神神経学会 精神科専門医 精神科専門医制度指導医
- 日本東洋医学会 漢方専門医
研究テーマ
- 精神科領域における漢方治療
- レジリエンスを引き出す東洋医学的治療